01'剱岳@(池ノ谷)

 

 9月1日から一泊で池ノ谷・三ノ窓・剱岳北方稜線を通り早月尾根で下山しました。(早月尾根以外一般ルートではありません。)
 池ノ谷は以前から私の最も興味のある山域で、未知の領域に足を踏み入れるようなワクワク感から登山前日はほとんど寝られませんでした。
 池ノ谷上部のガレた斜面には苦労しました。そのため、秋に池ノ谷を通って池の平へ紅葉を見に行く無謀な計画は消滅しました。もう少し早い時期であれば、もっと楽に、しかもお昼頃には十分三ノ窓に立つことは可能ではと思います。
小窓乗越から見た北方稜線  6時、取水口から登山を開始。4・5回渡渉して小窓尾根取り付き目印の大岩に到着。渡渉はすべて膝下でした。
 小窓尾根取付からしばらくは背丈ほどの藪で足元が見えないので進みにくく、しかも藪は朝露をもっているので上下共雨具をつけて進みます。5〜10分ほど進むと藪地帯から木の根を掴んで登る急登の樹林帯に変わります。道は比較的ハッキリしていて迷うことはなさそうですが、とになく急でした。途中池ノ谷ゴルジュが少しだけ眺められます。
 取付きから1時間。小窓乗越に到着。剣尾根と北方稜線が眺められ、かっこのいい剱岳の姿にしばらく見とれてしまいました。
二俣  休憩した後池ノ谷へと下ります。かなり急な下りが続いた後しだいにゆるやかになって、川に沿って上流へと道は続きます。道はずっと川に沿って遡り、そのまま雪渓取付きまで続いていましたが、川へと伸びている個所があり、そこから少しだけ下流には富高岩屋がありました。出入り口は下流側にあるのでちょっとわかりにくいのですが、白っぽい大岩を目印にするとわかると思います。
 しばらくして雪渓に取り付き、その後雪渓をただひたすら登り二俣に到着。
池ノ谷左又  二俣でアイゼンを着けるつもりでしたが、二俣からその先を眺めると雪渓が切れていたのでとりあえずアイゼン無しでそこまで進むことにしました。二俣から雪渓を進むこと約20分。雪渓が途切れている個所に到着。そこで剣尾根側の谷底を覗くと谷底までは10m程あり、雪解け水が激しく谷を流れていました。こんなとこに落ちたら一巻の終わりです。小窓尾根側から雪渓を降りて、悪いザレた斜面をしばらく登るとその先に数百mの長さの雪渓があり、そこからはアイゼンを着けて登ります。
池ノ谷左又上部  どんどん高度を稼ぎ雪渓の上端まで来ました。そこから三ノ窓まではもう雪渓はないようです。谷の水量はそれ程多くないので、谷の中をほとんど渓流感覚で進みます。谷の中は固定ロープを張ってある個所がありました。
 谷を遡りますが、池ノ谷尾根の始まりあたりからは水の供給も無くなったようで流れは枯れ、アリ地獄のようなガレた斜面が三ノ窓まで延々と続きます。重い装備を担いでここを進むのは骨が折れました。そして2時、剣尾根や小窓尾根のみごとな岩壁に励まされてなんとか三ノ窓に到着です。
三ノ窓  今日は三ノ窓でテント泊することにしました。
 三ノ窓はテント設営禁止ですが、テント場としてすっかり整理されていて、テントは全部で15張り程度の区画があり、この日は自分達も含めて4張りテントがありました。
 この時期三ノ窓で飲料水を得るには大変な労力が必要でした。水は三ノ窓雪渓を越えてチンネのずっと下流の方まで下るとチョボチョボと水が岩場から沸いています。水の補給は往復1時間。三ノ窓雪渓を下るのでアイゼン・ピッケルが必要ですし、さらに水場は落石が多そうな場所なのでヘルメットも要り難儀しました。さらにその水は念の為一度沸かしてから飲料水としました。

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