01'剱岳A(北方稜線)

 

 9月1日から一泊で池ノ谷・三ノ窓・剱岳北方稜線を通り早月尾根で下山しました。(早月尾根以外一般ルートではありません。)
 富山県民であれば剱岳のあのギザギザの稜線は強く頭の中にインプットされていると思います。そのギザギザの稜線を今回自分の足で歩くことができるとは少し前まで思ってもいませんでした。
チンネ  初日午後はガスのためテントで夕食を済ませ、しばらくするとゆっくりガスが晴れてゆき、富山平野に沈むすばらしい夕焼けを見ることが出来ました。そして7時半に就寝。
 翌朝は3時半に起床。朝食を食べ、鹿島槍から登る朝日に照らされたチンネ・ジャンダルムゆっくり眺め、そして1時間かけて辛い水汲みを行い出発の準備を整えました。その後空身で小窓王から小窓尾根へ散策に出かけます。
 小窓王へは三ノ窓から一旦池ノ谷を少し下り、小窓王を斜上しているバンドを伝って進みます。このバンドはしっかりしていて幅も3m程あり、ロープも張ってあります。バンドを登りきると眼下には小窓・池の平山・小窓尾根・池ノ谷・剣尾根・チンネが一望できる絶景ポイントでした。三ノ窓まで来たのであれば是非ここまで来ることをお薦めします。
三ノ窓全景  三ノ窓の全景。
 写真上部の岩壁はジャンダルムP1、写っていませんがそのすぐ後ろはジャンダルムP2、さらにその後ろは少し写っていますが池ノ谷ガリーです。
 三ノ窓の中心部はけっこう大きな岩が転がっています。
 たしか写真下の方に写っているの大岩の下が簡単な岩屋になっていて、横になれば3・4人は入れる広さです。出入り口はジャンダルム方向を向いています。
池ノ谷ガリー全景  ジャンダルムP1・P2のすぐ横を通ると池ノ谷乗越まで一直線に続いている高度差約150mの池ノ谷ガリーが目の前に現れます。池ノ谷ガリーは「いやらしいガレた急斜面」と聞いていましたが、浮石はよかしてあり、道が出来ていて、そんなにいやらしいことはないという印象でした。ガリーの幅はけっこうあるのでガリーというより谷といった印象です。
 池ノ谷ガリーを登りきると池ノ谷乗越です。池ノ谷乗越は幅5m程度のコルで、目の前には長次郎谷・八つ峰が望めます。長次郎谷雪渓はかなり後退していました。

池ノ谷の頭への登り  池ノ谷乗越から池ノ谷の頭へは40mほど写真中央の岩溝に沿って登るのですが、この岩溝の登りではちょっとしたミスで池ノ谷乗越まで滑落してしまう危険な個所で、とても緊張しました。
 ここを悪天時に通りたくないです。
北方稜線  岩溝を登りきった池ノ谷の頭は畳五畳ほどの広さがあり、剱岳頂上までの北方稜線が一望できます。その後しばらく普通の登山道状態で、踏跡を辿って進みます。途中岩板2枚に囲まれたスペースがあり、ここは緊急時テントを張るには絶好の場所です。さらに進むとちょっとしたピークがあり、バンドを使いトラバースします。ここのバンドの幅は1.5m程度と狭く、その下はほぼ垂直に切れ落ちているので緊張しました。
 そして長次郎の頭です。偵察を行いなんとかトラバースの道を見つけ、無事越すことが出来ました。剱岳頂上から来た場合、長次郎の頭手前にはザレた斜面があります。前回ザレた斜面の一番上まで登りきり、そこでトラバースの道を探しましたが、トラバースの道はザレた斜面の中腹あたりから始まっています。もし見つけられなかったり、雨で足元が滑るような場合は一旦長次郎谷を下って高巻いた方がずっと安全で確実です。その後は長次郎のコルに降り立ち、剱の帽子へ取り付いてひたすら登って剱岳頂上です。

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